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甲状腺機能亢進症と睡眠障害 - バセドウ病は清々しい朝を奪う

睡眠不足のカップル

不眠症の原因の1つとして甲状腺の異常があげられます。正式名称は「甲状腺機能亢進症」、一般的には「バセドウ病」という名前で知られています。自己免疫疾患で1000人に2~6人ほど発症し、男性に比べて女性は5倍もの発症率だといわれています。
この病気の原因は、免疫異常により、血液中に甲状腺刺激物質が生成されることで、甲状腺ホルモンが過剰分泌することです。それによって全身の新陳代謝が必要以上に活発になり、さまざまな全身症状が現れます。

眠ってもすぐに目が覚めてしまう人が多い

バセドウ病の特徴は、甲状腺が腫れる「甲状腺腫」、脈拍が早くなる「頻脈」、眼球が突き出る「眼球突出」などです。他にも汗をかきやすい、倦怠感、手や指の震え、精神不安定、下痢や月経異常などの症状も見られる場合があります。

バセドウ病によって不眠に陥る理由としては、脈拍が早くなり激しい動悸に襲われたり、精神的に落ち着かなくなり、イライラ感が高まることなどが考えられます。脈拍は120を越え、常にジョギングしているような状態だといわれています。
汗がたくさん出て、微熱を伴うことも多いので、寝ようと思ってもなかなか寝付けないというわけです。また、精神的に不安定な状態になるため、眠ってもすぐに目が覚めてしまう人も多いようです。

バセドウ病の睡眠障害は病気の治療が先決

                 

バセドウ病は、一度発症すると完治するのが難しいといわれています。不眠の改善には病気を治すことが先決なので、まずは治療に専念することが大切です。代表的な治療法は以下の3つ。

薬物療法

甲状腺ホルモンの合成を抑制する薬を服用します。1ヵ月ほどで血中の甲状腺ホルモンの濃度が正常化してきます。ただし、副作用が強いため、常に状態を細かくチェックしながらすすめていく必要があります。

放射線ヨウ素治療

一般的には「アイソトープ」の名前で知られており、薬による副作用が強い人や効果がない人、再発した人などを対象に行う治療法です。体内にカプセル状にした放射性ヨードをとりこみ、増えすぎた甲状腺細胞を破壊するというものです。ただし、効果は個人差が大きく、必ずしも改善されるわけではありません。また、効きすぎてしまった場合、必要な甲状腺細胞まで破壊することもあり、そうなると甲状腺機能が低下してしまうのです。

手術

薬やアイソトープ治療ができない場合で、甲状腺の腫れが大きい場合は手術によって、甲状腺を切除する方法がとられることもあります。甲状腺全部または一部分のみ残すことが多いようです。

自宅で自分でするバセドウ病対策

また、医療機関での治療を受けつつ、自分でできる対策は以下の通りです。

ストレスを溜めこまない

バセドウ病はストレスを溜めこむことで悪化するといわれています。できるだけ、過労やストレスを溜めないように気を付けることが大切です。

食事

唐辛子やアルコールなどの刺激物は、心臓に負担がかかるため、動悸を激しくする作用があるので避けましょう。代謝がよくなることで不足しがちなたんぱく質、ビタミン、ミネラルを意識的に多く摂取することです。また、甲状腺を正常化させる作用がある亜鉛もいいですね。

水分補給

代謝がよく汗をかきやすいので、水分補給をしっかりすることです。ただし、スポーツドリンクやジュースなどの糖分が多い飲み物は太る原因となり、より心臓に負担がかかってしまうため、水またはお茶がおすすめです。

周囲の理解を得る

精神的に落ち着きがなく、イライラしたり、集中力が低下するバセドウ病の人は、家庭はもちろん、職場でトラブルを起こしやすくなります。周りの理解が得られないことがよりストレスを増大させる原因になりますので、できるだけ、病気のことを周囲に打ち明け、理解を得ることも重要です。

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