ドラッグストアや薬局で手に入る睡眠薬は?
薬局・ドラッグストアにあるのは睡眠導入剤。処方箋医薬品とは違う
不眠の症状に悩んでいるけれど、病院に行く勇気がないという人なら、一度は薬局をのぞいてみたことがあるかもしれません。
そこで気付いた人も多いと思いますが、薬局には睡眠薬は置いてありません。
睡眠薬は処方箋がなければ手に入らないのです。
薬局で買えるのは「睡眠導入剤」と呼ばれるもので、睡眠薬とは成分が全く異なります。
そこで実際に薬局に行って睡眠導入剤の状況を確かめてきました。
こんな感じで売り場にはずらっと睡眠改善薬が並んでいます。
CMでよく見かける「ドリエル」のほか、「ネオディ」「ヨネ―ル」「スリーピン」「プロリズム」「リポスミン」「ディトナ」「ドリーミオ」「アサシオン」など、さまざまな市販薬が出ています。
ドリエル【エスエス製薬】
次の症状の緩和効果が特徴。寝つきが悪い・眠りが浅い等の一時的な不眠症状の緩和。
ネオディ【大正製薬】
催眠鎮静作用が大きい抗ヒスタミン剤(塩酸ジフェンヒドラミン)が配合され睡眠の改善のための薬。
ヨネール【米田薬品】
ジフェンヒドラミン塩酸塩の効果で寝つきが悪い、眠りが浅さに改善効果。旅行・出張時の携帯にも便利。
スリーピン【薬王製薬】
ジフェンヒドラミン塩酸塩の水溶性成分をいかし液状のままソフトカプセルタイプにしたので、服用後すみやかに効果が。
プロリズム【カイゲン】
就寝前に1回1カプセルの服用で寝つきが悪いなどの症状を改善。小型カプセルですので飲みやすいのが特徴。
リポスミン【皇漢堂製薬】
抗ヒスタミン(塩酸ジフェンヒドラミン)配合のフィルムコーティング錠。就寝前に服用で不眠を緩和。
ディトナ【オール薬品工業】
中枢神経系への抑制作用がある抗ヒスタミン剤配合。1回の服用で2カプセルの服用。
ドリーミオ【資生堂薬品】
他の銘柄と同様睡眠鎮静作用が強いことが知られるジフェンヒドラミン塩酸塩の眠気作用を応用した薬
まず、購入に際の注意書きが目に留まりました。
読んでみるとこんなことが書いてありました。
・おひとり様1個限り
・購入時には薬剤師や登録販売員に相談すること。
・商品についている使用上の注意をよく読むこと。
・大量使用、長期間服用している人には販売できない。
・未成年は保護者に確認をとること。
商品ごとに同じような注意書きの紙も挟んでありました。
睡眠導入剤を選ぶコツは「飲みやすい形状」「即効性」。成分は大差なし
せっかくなので近くにいた薬剤師さんにいろいろと質問してみました。
- Q.種類がたくさんありますが成分や効果に違いはありますか?
- A.成分はどれも同じで配合されている量も同じです。
効果はそれほど変わりませんが、カプセルや錠剤などの形状が多少違い、若干、中身が液状のカプセルのほうが溶けやすいのでごくわずかですが効き目が早いかもしれません。どれも小さ目なので飲みにくいということはないですね。
- Q.睡眠薬と睡眠導入剤は違うんですよね?
- A.睡眠薬とは全く違います。睡眠導入剤の成分は、抗ヒスタミン剤の一種「ジフェンヒドラミン塩酸塩」で、これは風邪薬や鼻炎薬にも配合されているものです。風邪薬を飲んだ時、眠くなるのはこの成分のせいなんです。
- Q.値段がバラバラの理由は?
- A.入っている数や形状の違いです。だいたい6錠から12錠くらいでカプセルタイプだったり錠剤タイプだったりです。
- Q.おすすめはどれですか?
- A.成分も配合量も変わらないので、特におすすめはありません。飲みやすい形状かどうか、内容量で選ぶしかないですね。強いて言えば、ドリトルの進化タイプの「ドリトルEX」がいいかもしれません。柔らかいカプセルなので飲みやすく、溶けやすいので若干早く聞きますよ。また、ドリエルは錠剤タイプで1日2錠ですが、ドリトルEXは1日1カプセルでOKです。
ということで、種類はたくさんありますが、成分に違いはないことがわかりました。
そこで、簡単に表にまとめてみました。
商品 | 服用(1日1回) | 有効成分含有量 | 服用に際する特徴 |
---|---|---|---|
ドリエル | 2錠 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 2錠で1回なので大きい錠剤が飲みにくい人に向いている |
ネオディ | 2錠 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 小粒のフィルムムコーティング錠でカプセルが苦手な人などに |
ヨネール | 2錠 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 服用しやすいフィルムコーティング錠を1回2錠 |
スリーピン | 1カプセル | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 液状の成分をカプセルタイプにしたので、すみやかに効果があらわれる |
プロリズム | 1カプセル | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 小型カプセルですので飲みやすいのが特徴 |
リポスミン | 2錠 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | フィルムムコーティング錠を1回2錠 |
ディトナ | 2カプセル | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 2カプセルなのでカプセルが苦手な人にはむかないかも・・・ |
ドリーミオ | 2錠 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg | 飲みやすい小粒のフィルムコート錠を2錠 |
たしかに、どの導入剤も有効成分はジフェンヒドラミン塩酸塩であり、一回の服用では50mgとなっていますね。薬剤師さんがいうように効果的にはあまり大差はないように思います。
服用に関して言うと、カプセルなのか、錠剤なのか、飲む人の好き嫌いは分かれるかもしれませんね。ほとんどの薬は小型の錠剤になっていますので、カプセルが苦手な人はそれらを避ければよいでしょう。
ただ、即効性を求めるという意味ではカプセルの方が液状だったり、粉状でしょうから、効果が現れやしかもしれませんね。
そういった意味で、即効性を求めたい人はスリーピンが液状なので、他よりも効果があらわれやすいと言えますので、検討されると良いでしょう。
ただし睡眠薬は副作用もないとは言い切れないため、心配な方は睡眠をサポートするサプリメントなどから試してみることをおすすめします。
睡眠導入剤の価格一覧
では気になる価格はどうでしょう。
睡眠導入剤はドラッグストア以外ではネットでも購入が可能です。
そこで少しでも安く入手したい人のために価格の比較表を作成してみました。
ドリエル | ドリーミオ | スリーピン | ネオディ | |
---|---|---|---|---|
ドラッグストア | 1,922~2,036円 | 1,728円 | 906~1,317円 | 1,768円 |
ネット | 1,598~1,933円 | 1,034~1,815円 | 698~775円 | 778~1,728円 |
容量 | 12錠 | 12錠 | 6カプセル | 12錠 |
1日あたり | 2錠 | 2錠 | 1カプセル | 2錠 |
ドラッグストアとネット通販では、明らかにネット通販のほうが安く入手できることがわかります。
商品によっては半額以下のものがあるのは驚きですね。
価格だけで判断すれば、断然ネット通販がお得ですが、ドラッグストアには薬剤師さんに相談しできるという大きなメリットがあります。
ですから、初めての購入の際にはドラッグストアを利用し、二回目以降はネット通販を利用する、または、ドラッグストアで薬剤師さんによく話を聞いてきた上で、実際の購入はネット通販を利用するのも賢い方法かもしれません。
睡眠導入剤は薬局・ドラッグストアのどこにおいてある?
何店かの薬局を回り、ほとんどは他の市販薬と一緒に並んでいるという感じでしたが、「ダイコクドラッグ」さんだけは“熟眠コーナー”という睡眠導入剤のコーナーがありました。
置いてある商品は同じような感じでそれほど種類が多いわけではないのですが、「熟眠」の文字がすぐに目についたので探しやすかったです。
また、どの薬局も睡眠導入剤のそばに、薬ではないけれど、漢方や生薬が置いてありました。
「熟眠」や「ホスロール」「パンセダン」「イララック」などは、漢方や生薬の作用で、イライラを落ち着かせる効果が期待できるもの。
即効性はありませんが、続けることで気持ちを安定させてくれるので、不眠の原因が不安やイライラだという人には向いているようです。
これらのことから、睡眠導入剤を購入する際には、自分の判断で選ぶのではなく、薬剤師に症状を説明し、相談したうえで、適切なものを購入することです。
そして、注意書きにも十分留意し、用法用量を守って服用することが大切なのです。
不安な人は、いきなり睡眠導入剤を利用せず、まずは効果が穏やかなサプリメントや漢方などから始めてみてもよいのかもしれませんね。