不眠症改善に入浴が効く理由
不眠症の改善に欠かせないのが入浴です。入浴をただ体の汚れを落とすだけと考えている人は大きな間違いです。
いくつかの点に気をつけて入浴することで、不眠症が改善するかもしれないのです。不眠に悩んでいる人は、一度入浴の仕方を見直してみることをおすすめします。
深部体温のメリハリが心地よい睡眠につながる
入浴は体温のリズムと深い関係があり、人間は体温が下がるときに眠りにつきやすくなります。
それは表面の温度ではなく、体の中心の温度、つまり“深部体温”のことです。
そして、深部体温の温度差でメリハリをつけることが心地よい睡眠につながるのです。
けれども、そのためには、一度体温を上げる必要があり、その方法の1つが入浴だというわけです。
もちろん、入浴しなくても、人間にはもともと、日中に深部体温を上げて、就寝時には下げるというリズムを持っているのですが、入浴がさらにそのリズムを助けてくれます。
また、入浴すると自然に心身共にリラックスできるところも不眠の改善によい効果をもたらします。
お風呂に入ると全身が解放され、「気持ちいい」と感じると同時に体の力が抜けていきますね。
1日1回、心身の解放感を味わうことはとても大切です。
では、不眠症の改善を目的とした入浴のポイントをご紹介しましょう。
不眠症改善に適した入浴の際のポイント
必ず湯船に浸かる
暑い季節はどうしてもシャワーだけで済ませてしまいがちですが、残念ながらシャワーでは深部体温は上げられません。
必ず、湯船にしっかりと浸かることが重要です。
どうしても時間がないときは、弱めの水圧で後頭部や首、肩などに意識的にシャワーを当てて、リラックス効果を高めるとよいでしょう。
就寝の1~2時間前
入浴で深部体温が上がってから下がるまでに少し時間がかかります。
寝る直前ではなく、寝る予定の1~2時間前に入浴するのがおすすめです。
38~40度のぬるめのお湯
40度を超えるような熱いお湯は、自律神経が覚醒してしまい、体温が上がりすぎて、深部体温が下がるのに時間がかかってしまいます。
38~40度くらいの少しぬるいと感じる程度がよいでしょう。
ぬるめのお湯は、副交感神経に作用して、高いリラックス効果が得られます。
20~30分くらいかけて
不眠症を改善したいなら、長い時間浸かればよいというものではありません。
また、短すぎてもあまり効果が得られません。20~30分くらいを目安に浸かるとよいでしょう。
入浴グッズも不眠改善には有効
また、毎日の入浴をより不眠症改善に役立てたいのなら、入浴グッズを使うのもよい方法です。
入浴剤
いろいろなタイプの入浴剤がありますが、リラックス効果が期待できる香りのものがおすすめです。
ラベンダー
交感神経の働きを鎮めて、自律神経のバランスを整え、高いリラックス効果が得られます。
カモミール
ストレスや不安を解消し、アメリカでは精神疾患のカウンセリングでも採用している香りです。
ネロリ
不安や心配事を取り除く効果が高いと言われています。
上記以外でも、自分がリラックスできる好きな香りならOKです。
バスピロー
入浴の際に使用する枕で、浴槽の淵にひっかけるだけというお手軽感が魅力です。
キャンドル
電気代わりにキャンドルをともして、静かな時間を過ごすことでリラックス効果が高まります。揺れる炎が緊張をほぐし、心身共に落ち着かせてくれます。