運動による不眠症対策 ストレッチがお手軽
睡眠に効果のある運動は方法と時間帯もコツがあり
睡眠と運動には深い関係があり、不眠症の改善には軽い運動も有効な手段の1つだといわれています。
深い眠りを得るためには、昼と夜の深部体温を下げることが大切です。
深部体温とは、体の中心部の体温のことで、表面の皮膚体温とは温度差があり、だいたい37度前後と、少し高めになります。
日中にこの深部体温を運動によって上げておけば、夜に向けて少しずつ下がってくることで自然な眠りに就けるというわけです。
また、運動は、脳の温度も上げるのですが、温度が下がるときに入眠しやすくなります。
運動によるもう1つの効果は、疲労感による睡眠効果です。最も良いのは適度な運動による軽い疲労感です。
軽い体操や散歩でも効果は得られ、毎日でなくとも週に2、3回程度のペースで続ければ体内のリズムが整い効果が現れるでしょう。
中には体を疲れさせるなら激しい運動をすればよいと考える人もいるかもしれませんが、過度の疲労は脳を興奮させ、なかなか体温が下がらず、眠れなくなってしまうのです。
活性化した交感神経を鎮静させるには、数時間かかります。
激しい運動をする時はできるだけ昼間のうちに行うことが大切です。
1つめのおすすめの運動は「有酸素運動」
有酸素運動とは、名前の通り、適度に酸素を取り込みながら、安定した運動を長く続けるもので、全身の血行を促進して脳の温度を上げてくれます。
無酸素運動のように交感神経を強く刺激せず、ほどよい疲労感が得られるのが特徴です。
また、しっかりと呼吸をしながら行うので、自律神経を整え、睡眠に必要な脳内物質「セロトニン」の分泌にも大きく作用します。
ジョギングやウォーキング、エアロビ、水泳など、一定のリズムを刻むものがおすすめです。
不眠症の改善が目的なら、できれば夕方から夜にかけて行うのが効果的です。
会社帰りにジムに寄ったり、夕食後に散歩がてら、30~1時間ほど近所をジョギングしたり、ウォーキングするとよいでしょう。
注意点
・就寝時刻の2~3時間前までに終えておくこと。遅くなると上がった体温が下がらず、眠りにくくなります。
・激しい運動はNG。過度な疲労は脳を覚醒させてしまいます。
2つ目のおすすめは「ヨガ・ストレッチ」
ヨガやストレッチは、入浴から就寝前までの心身共にリラックスした状態で行うのが効果的です。
布団やベッドの上で手軽にできるところが大きなメリットです。
だんだんと睡眠に向けて、眠りモードに入る体を覚醒させることなく、そのまま維持することができます。
寝る前にヨガやストレッチなどの軽い体操で体をほぐすことで、筋肉の緊張が緩和され、血行がよくなり、快眠に必要な副交感神経優位の状態を作ることができます。
さらに眠りに就くころには体温が下がり始めるので、スムーズに入眠できるというわけです。
ゆったりとした気持ちで呼吸に合わせ、30分ほどを目安に行います。
自分が「気持ちいい」と感じるところまで、背中や腕、足、腰などをゆっくりと伸ばしましょう。
毎日の寝る前の日課にすると忘れなくていいですね。
もし、夜中に目が覚めて、眠れなくなった時は、無理に眠ろうとせず、簡単なストレッチを試してみるのもおすすめです。
注意点
・激しく体を動かすと体温が上がり、逆に眠れなくなります。
あくまでも筋肉を伸ばすイメージで。
・熱中し過ぎて、長い時間続けるのはNG。
・「痛い」と感じる時はやりすぎです。もう少し力を抜いてみましょう。