不眠症とは? ~そもそも不眠症ってどんな症状?~
不眠症は睡眠障害として広く浸透しているものの、どんな病気なのか知っている人は意外に少ないのかもしれません。
一般的には「眠れないこと」が不眠症だと思われていますが、実は症状によって大きく次の4つの種類に分けられます。
入眠障害
入眠障害は不眠症の中で老若男女問わず最も多い症状です。布団に入って30分以上かかっても眠りにつけず、眠ろうとすればするほど眠れなくなり、症状を悪化させてしまいます。
不眠症の症状・種類 - 入眠障害
不眠症の種類の中で最も多いのが「入眠障害」です。年齢に関係なく、どの年代にも見られるもので、有病率もほぼ同じです。また、他の睡眠障害も最初は入眠障害から始まることが多いのが現状です。
中途覚醒
中途覚醒は眠りについても夜中に何回も目が覚めてしまい、浅い眠りになっていることが多いため、起きた時に眠った気がしないのが特徴です。
不眠症の症状・種類 – 中途覚醒
夜に寝て何度も目が覚めてしまうことが連日続いてしまった場合には「中途覚醒」という不眠症を疑った方が良いでしょう。1回程度起きてしまって、また直ぐに寝ることが出来るというのであれば問題ありません。
早朝覚醒
早朝覚醒は朝早く目が覚めてしまい、そのあと眠れなくなってしまうものです。加齢とともに睡眠力が低下する高齢者に多く見られます。
不眠症の種類・症状-早期覚醒
眠れないことを悩んでいる人の中には、以前よりも朝早く目が覚めてしまうようになったという人もいるかもしれません。さらに一度目が覚めると再度眠れなくなる・・・という場合は、不眠症の種類の1つ「早期覚醒」かもしれません。
熟眠障害
熟眠障害は睡眠時間が十分足りているにもかかわらず、目覚めが悪く、疲労感が残り、日中に激しい睡魔に襲われることが多いようです。
これらの症状から、不眠症は睡眠時間とはあまり関係がなく、それよりも眠りの質が深く関係していることがわかりますね。そして、不眠症を引き起こす原因もさまざまです。
不眠症の症状・種類 – 熟眠障害
不眠症の中で、寝付きに問題がなく、睡眠時間が十分とれているにもかかわらず、朝の目覚めが悪く、ぐっすり眠った感じがしないのが「熟眠障害」です。
眠りにとって大切な“質”の部分に問題があるのですが、睡眠の量は足りているのでなかなか自分では気付きにくいのが特徴です。
心理的要因
心配事や過度のストレスが交感神経を活性化させることで心身共に緊張を招き、リラックスできないことで眠れなくなります。
身体的要因
消化器系の疾患で胃腸に痛みを感じたり、呼吸器系の疾患で息苦しくなったり、アトピー性皮膚炎のかゆみなどによって、夜中に何度も目を覚ましてしまいます。
精神疾患
統合失調症やうつ病、不安障害などの心の病の初期症状や部分症状に不眠を伴うケースも多く、不眠が続くことが精神疾患のサインとなっていることもあります。
環境要因
騒音がうるさい、引越で生活環境が変わった、暑い、寒い、寝具が合わないなど、睡眠時の状態が不眠を招くことも多くみられます。
その他の要因
アルコールやコーヒーのカフェインの摂りすぎ、最近では寝る前のパソコンやスマホの操作も精神を緊張させ、体を眠りにくくしていると言われています。
不眠症対策としては、原因が明確ならそれらを取り除くことで改善できますが、他にも有効な対策はいろいろあります。
食生活
睡眠に効果的だといわれるトリプトファンやカルシウム、ビタミン類を意識した食事を心掛けるとよいでしょう。また、寝る直前の食事を避けることも大切です。
運動
運動といっても激しいものではなく、ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動のことです。寝る数時間前に行うことで血行がよくなり、脳の温度を下げ、眠りやすくしてくれます。
医療機関の受診
自己判断の間違った対策がより不眠を招くこともあるので、専門の医療機関を治療を受けることも有効な手段です。十分な問診と状況から診断し、必要に応じて適切な睡眠薬などの薬物療法によって症状を改善してくれます。
寝室環境
光が入りにくい遮光カーテンや防音サッシなどで眠りやすい環境を整えます。また、寝具をできるだけ通気性・吸湿性がよいものにしたり、体を締め付けないパジャマなどを工夫することも大切です。意外に枕の高さが関係していることもあるようです。
不眠症をしっかりと理解し、適切な対策をすることで、人生の1/3を占める大切な睡眠をより快適なものにすることができるはずです。