不眠症の症状・種類 – 熟眠障害
不眠症の中で、寝付きに問題がなく、睡眠時間が十分とれているにもかかわらず、朝の目覚めが悪く、ぐっすり眠った感じがしないのが「熟眠障害」です。
眠りにとって大切な“質”の部分に問題があるのですが、睡眠の量は足りているのでなかなか自分では気付きにくいのが特徴です。
また、夜中に何度も起きる「中途覚醒」のように、途中で起きるわけではなく、睡眠時間が足りているので、周囲に相談しても「しっかり寝ているじゃないか」と理解を得にくいため、自分が不眠症だとは思わない人が多いようです。
朝おきて体が重いなどの症状は熟睡できていない証拠
スムーズ入眠でき、しっかりと8時間ほど睡眠時間をとっているのに、朝、起きた時、ぐったりと体が重く、眠った感じが得られません。
浅い眠りしかできないため、たくさん夢を見るのが特徴です。
一番怖い原因は睡眠時無呼吸症候群
睡眠環境
枕の高さやベッドの硬さなどの寝具が合っていないことや、周りの騒音など、睡眠時の環境が熟睡を妨げているのかもしれません。
また、寝室の明るさや温度、湿度などに問題があることも考えられます。
体内時計のズレ
不規則な生活や寝る直前までテレビやパソコンを見ていると、睡眠のリズムが乱れてしまいます。
不摂生な生活は、睡眠リズムを作る「メラトニン」の生成を妨害するので、深い眠りが得にくくなります。
睡眠時無呼吸症候群
身体的な疾患として、睡眠時に無呼吸の状態を繰り返す「無呼吸症候群」が熟睡を妨げることもあります。
無呼吸中は脳への酸素供給が滞ってしまうため、脳の疲労が取れず、質の良い睡眠ができなくなります。ただし、これは重度になると不眠という問題にとどまらず、命に関わることもあります。長く続くと日中の生活に支障が出るので、気付いた時は早めに医療機関を受診することが大切です。
いびき、歯ぎしり、寝言
睡眠中のいびきや歯ぎしりは自分では気づいていない人も多いようですが、ひどい場合は熟睡を妨げる大きな要因になるので、侮ってはいけません。
リラックスできる入浴や睡眠環境を整えて熟睡対策
入浴
睡眠の質を高めるためにはノンレム睡眠をできるだけ深くすることがポイントです。深い睡眠は体の深部体温を下げることで得られます。
入浴で一旦上昇した体温は、反復作用で下げられるので、逆算すると寝る2時間ほど前にぬるめのお湯に浸かるのがおすすめです。できるだけ時間をかけて、ゆっくりと温まるとよいでしょう。
メラトニンの分泌を促進
睡眠の質を上げるために欠かせないのが「メラトニン」です。メラトニンは朝日を浴びると分泌が止まり、14~16時間後に再び分泌される特性があるので、これを上手に利用するとよいですね。
また、メラトニンはセロトニンから合成され、セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を原料としているので、まずはトリプトファンをしっかりと摂取できる食事を心掛けることが大切です。
食事から摂るのが難しい場合は、サプリメントなどを利用するのもおすすめです。
睡眠状態のチェック
睡眠時無呼吸症候群やいびき、歯ぎしりなどは、自分では気づきにくいので、一度家族など第三者に自分の眠りをチェックしてもらうのも1つの方法です。
人に言われて初めて知ることも多いようですね。
寝室環境を整える
騒音が激しかったり、明るい寝室ではどうしても深い眠りが得にくいものです。
できるだけ、光を通さない遮光カーテンにしたり、防音対策をして、静かで落ち着いた環境作りを心がけましょう。