不眠症の種類・症状-早期覚醒
眠れないことを悩んでいる人の中には、以前よりも朝早く目が覚めてしまうようになったという人もいるかもしれません。
さらに一度目が覚めると再度眠れなくなる・・・という場合は、不眠症の種類の1つ「早期覚醒」かもしれません。
「高齢者は朝が早い」と言われるように早朝覚醒の症状は、高齢の方に多いため、歳のせいだと思っている人も少なくないようです。
症状
明け方、起きる予定の時間よりも数時間早く目が覚めてしまい、二度寝しようとしても眠れず、そのまま起きて1日を過ごしてしまいます。
高齢者の早期覚醒は、加齢による生活パターンの変化という場合が多く、日中にひどい眠気に襲われたり、生活に支障がなければ問題はありません。
ただし、熟睡感がなかったり、疲れがとれない場合は早期覚醒の疑いがあります。
夜中に何度も目が覚める中途覚醒の場合は、目が覚めてもまた眠れることもあるのですが、二度寝ができない早期覚醒はストレスが溜まりやすい睡眠障害です。
週に3日以上、1か月以上続くときは早期覚醒の可能性が高いでしょう。
原因
早期覚醒は精神的な要因が深く関係しているといわれており、長く続く場合、考えられるのはストレスの溜めすぎやうつ病や自律神経失調症などの精神疾患です。
仕事や家庭に悩みや不安があったり、自分では自覚がなくても体がリラックスできていない状態なのかもしれません。
高齢者の早期覚醒の原因としては、生活時間に余裕があるため、生活時間が前倒しになりやすいことも原因の1つで、早く夕食を済ませ、早く眠りにつくことで朝早く目が覚めてしまうのです。
また、加齢と共に睡眠力が低下し、メラトニンの分泌が抑制されることでどうしても睡眠が浅くなってしまいます。
対策
医療機関を受診
うつ病などの精神疾患が疑われる場合は、専門医を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
セロトニンを増やす
不安な気持ちが強い場合は、脳内にセロトニンという物質が不足しているのかもしれません。
これは神経伝達物質の1つで気持ちを落ち着かせる作用がありますが、不足することで精神バランスが崩れ、イライラしやすくなるのです。
セロトニンを増やすには、軽い運動やたっぷりと朝日を浴びること、アミノ酸(トリプトファン)を積極的に摂取することなどが有効です。
ウォーキングやストレッチ、散歩など、軽い運動を毎日行うことです。特にウォーキングどの一定のリズムを刻む運動は、セロトニンの分泌を促します。
【リラックスできる環境】抱き枕を抱いて寝たり、好きな香りのアロマを焚いたり、カーテンを遮光タイプにするなど、睡眠時にできるだけ心身共にリラックスできる環境を整えることが大切です。
早期覚醒は日中に疲労感や激しい睡魔がなければ、それほど深刻になることはありませんが、うつ病が関係していることも多いので長く続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。